今回は、私が大型自動二輪免許を取得する切っ掛けになった「ヤマハVmax」について回想したい。
1985年に発売された、このモンスター(当時)マシンは、ネイキッドでもアメリカンでもない、独自のドラッカースタイルを提唱。剛性感のない、貧弱ともいえたグニャグニャのボディに70度V4&1200ccのエンジンを詰め込んだ、スパルタンなその独自のフォルムは、またがるたびにフルフェイスの中の顔をにやけさせてくれたものだ。
私が購入したVmaxは、逆輸入車の中でも「USA仕様」というものだった。一般的に初代のVmaxは、逆車と国産車の2系統に分類され、逆車は145馬力、国産は馬力規制のため98馬力と説明されているが、実は逆車の中には、北米仕様とUSA仕様、さらには欧州仕様などがあり、北米仕様とUSA仕様は同じマイル表示であったが、最大出力は、北米仕様が145馬力、USA仕様が143馬力となっていた。
最大の魅力は、いわずと知れた「Vブーストシステム」で、これは国産車には装備されていない、逆車だけの特典であった。だから、国産のVmaxを乗っている人を見ると「どうして逆車に乗らないの?だってMAX(Vmax乗りの多くは、VmaxのことをMAXと呼んでいた)の魅力はVブーストじゃん!」と突っ込みたくなったものだ。後に、国産車向けの後付けVブーストシステムが発売されたが、笑えないギャグのようなもので、全く意味が分からなかった。
Vブーストシステムは、エンジンの回転数が6000を超えると、それまでは開いていないエアバルブが開き始め、ツインキャブの状態となり、大量の混合気をシリンダー内に送り込むことで、爆発的な加速感を生み出す仕組みだった。この強烈な吹き上がりと直線一気の加速感は、一般道ではなかなか味わえなかったが、エアバルブが全開となる8500回転まで回していける高速クルージングの際などは、ちょっと緩めになっていたフルフェイスのヘルメットが脱げそうになるほどの加速度を体験できたものだ。
発売から25年以上が経ち、その血統は1700ccの2代目に受け継がれているということだが、Vブーストが付いていない車種のことを「MAX」と呼んでいいものか?個人的にはどうしても「初代MAX」の、あの「何者でもない」輝きが懐かしい。